大会長挨拶

第16回日本核医学会春季大会を、平成28年4月22日(金)~4月24日(日)の3日間、大阪国際交流センターにて開催いたします(中本裕士実行委員長、細野眞担当理事)。多くの会員の皆さまのご出席をお待ちしております。

大阪での開催は2011年に続いて2回目となります。前回は東日本大震災と原子力発電所の事故直後の大変な時期でした。社会的混乱が続き、多くの学術集会が中止され、日本医学放射線学会も縮小開催される中、玉木長良大会長のもと春季大会は開催されました。その年、春季大会出席者ははじめて1000名を超えました。福島県立医大 宍戸文男教授による「現場からの緊急報告」が行われました。放射線被曝に対する一般の方々の危惧が高まる中、多くの核医学関係者が大阪に集い拝聴しました。放射線に対する正確な情報発信源として日本核医学会ホームページへのアクセス数が急増し、学会に対する一般の方々の篤い信頼を感じました。

今回の春季大会では、原子力規制委員会 原子力規制庁から講師の先生をお招きし、日本核医学会主催 特別講演会「PET用核種使用における規制上の課題」を企画しました。核医学施設の設置、運営、安全性の向上に役立てば幸いです。

春季大会は主に教育を目的とした学術集会です。核医学基礎セミナー(卒後研修医コース、初心者コース、看護師コース)、専門医教育セミナー、PET研修セミナー、PET施設認証セミナー、アミロイドPET読影講習会など、教育・専門医審査委員会(望月輝一委員長)、PET核医学委員会(細野眞委員長)を中心にプログラムを組みました。「PET研修セミナー」は医師・歯科医師コースと診療放射線技師コースを設け、PET核医学認定医、PET核医学歯科認定医や核医学専門技師の資格を取得される上で必要な、法的規制・放射線防護・読影のポイントなど、PET診療に必須の基礎知識と実際上の取り扱いが解説されます。厚生労働省が求めている「陽電子断層撮影診療に関する所定の研修」の要件に沿った形で構成されています。なおこのPET研修セミナーは日本核医学会が主催し、日本核医学技術学会、日本医学放射線学会、日本放射線技術学会、日本診療放射線学会、日本アイソトープ協会との共催となります。将来のアミロイドPET診療には「PET施設認証セミナー」、「アミロイドPET読影講習会」の受講が必要になります。核医学基礎セミナー看護師コースは、核医学診療看護師制度の発足に伴い、認定看護師の申請に必要になります。

日本専門医機構による新専門医制度設計の中で、核医学専門医はサブスペシャリティ領域として認定されており、今後、核医学専門医教育カリキュラム、認定(専門医試験)、生涯教育などを具体化する段階にきております。会員の皆様の専門性向上、安全講習、生涯教育を目的とした春季大会の重要性は、年々高まっております。最新の情報を盛り込んだプログラムを組みますので、多くのコースの中から今年はこのコース、来年はこのコースというふうに選択して、毎年ご参加いただけるようになればいいなと思っています。

昼は勉強し、その後はグルメの街大阪で仲間と飲んで食べて歌って楽しんで下さい。
 多くの皆様のご参加をお待ちしております。

第16回日本核医学会春季大会
大会長 畑澤 順
(大阪大学大学院医学系研究科 核医学講座)